2010年2月26日金曜日

買収の動き: Ernst & Youngの調査結果==> M&Aの大型化、インド/中国の台頭、そしてモバイル/エネルギー関係への関心

M&A活動が2009年Q4 において3期連続で上昇
 
Ernst & Young社の調査によると、Q4/2009もM&A事業が成長を遂げた四半期になる、と発表。
この期において、553件の買収が行われ、先期と比較して数字ベースでは13%の上昇になる。
これを次世代の新しい成長期の到来と見るか、落ち込んだ去年の単なる回復と見るかは、意見が分かれている。 
 
買収金額で言うと、Q4/2009はQ4/2008と比較して$35.4B対$9.2B、と4倍の伸びを示しているが、年間で言うと、2009年は2008年の約2%ダウン(2009年 = $94.8B)。 
 
Q4の急激な伸びを支えたのは、買収額$1Bを超える案件が7つ登場した事であり、モバイル系、エネルギー系の伸びが顕著である。 
 
2009のクロスボーダの案件は、全体の31%、と昨年から4%落ちている。 ただし、一見あたりの金額は42%と大きく伸びている。  インドと中国の伸びが顕著である。 
 

Cross-border activity
Cross-border deals fell to 31% of corporate deals in 2009 from 35% in 2008. While the total value of cross-border deals (corporate plus PE) fell 20% in 2009 to US$24 billion. However, the average value for cross-border deals climbed 42% in 2009 from 2008.

Of corporate deals done, the US completed the most deals in Q409 (222), 81% of which were domestic deals. China completed 31 corporate deals and had the largest percentage of domestic deals (84%). Of Q409's corporate deals, India completed the highest proportion of cross-border deals at 50%.

Corporate deals done overall by China and India in 2009, however, dropped significantly compared with 2008, from 139 to 86 in China and 80 to 39 in India.

 
 

Salesforce.comの2009年度: $1.4B売り上げ、好調な成長がさらに拍車

Salesforce.comがQ4/2009及び2009年度の経理報告
 
下記が要点:
  • Q4売り上げが$354M、昨年度比較で22%の成長
  • 2009年度売り上げが$1,306M、昨年度比較で21%成長
  • Q4 GAAP EPS(Earnings Per Share)が$0.16、これは昨年度比較で41%成長
  • Q4キャッシュフローは$92M、昨年度比較で21%成長
  • 2009年度キャッシュフローは$271M、昨年度比較で18%成長
  • 顧客数、4600社増、合計72500社を達成、31%増
  • FY2011の予測成長率は16〜17%に上方修正
数字では非常に好調なSF.comの状況、当面SaaS市場を引っ張る企業としての地位を守る気配である。 

買収の動き:Exar社がI/O仮想化の技術を買収

Exar社がNeterion社を買収
 
ITソリューションベンダーのExar社がI/O仮想化技術を持つNeterion社を約$10Mで買収する、と発表している。 Neterion社の技術は、主として10GBのイーサネットアダプターを対象としており、仮想環境での実装を容易にするもの。 
Exar自身は従来ビデオ/イメージング業界向けにセミコンダクターを提供する事業が中心であったが、最近はそのビジネスモデルから、データセンタ向けのソリューションを提供するベンダーに変換しようとしている最中。  Neterionの買収で同社はEmulex、Qlogic、Brocade等の10GBアダプターメーカと競合関係になる。 
Exar社は約550人の従業員、$136Mの年間売り上げ。
 
 

3TeraがComputer Associates社に買収される => 安い内に買う、という鉄則、ここにあり

CA社、3Tera社を買収
 
CAは、クラウド事業への参入を買収戦略を通して進めており、既に、Cassatt, NetQoS, Oblicore等の買収に続き、今回はプライベートクラウド関連技術として3Teraの買収を行うに至っている。 
従業員は約20名。  買収金額は未公表。
現在、XenのみをサポートしているAppLogicにVMWare ESXとMS Hyper-Vのサポートを追加する事も表明している。 特にCA社の顧客層を狙うとなれば、VMWareは必須になる、と言える。
 
CAからのプレス発表はここ
3TeraのApplogicが企業資産をクラウドに移行する効果的なツールとして役立つ事を強調している。
 
CAは顧客に対しても下記のレターを発行している。
 
CAのブログでの記事
3Teraの顧客層はMSPが中心である事を説明、CAがこの領域に大いに寄与できる、と表明。 さらにこの買収はCAにとっても大きな転換を意味する事も述べている。 
 
3Teraのブログはここ
長々と買収の経緯、CAと3Teraの共通性について述べているが、根本的に異なるビジネスモデルである事も意図している。  CAをManagement Companyと位置づけ、企業のIT管理、という主事業モデルを尊重すると共に、3Teraがこのモデルにクラウド管理、という新しい軸を加える、と宣言している。 
 
3Teraの製品デモの紹介ビデオはここ。
非常に簡単にシステムのクラウド化ができる事を協調している。
 
 
関係誌の記事はここ。内容は何処も似たような感じ。
Channel Web
CTOEdge
Data Center Knowledge
GigaOm
Network World
Forrester
 

2010年2月23日火曜日

HPCの世界: 膨大なクラウドのリソースを科学技術計算領域でどのように利用するか、様々なビジネスもでるが登場している。

SGI社のCycloneプラットホーム、Penguin Computing社のPOSサービス、Instrumental, Inc.社の政府向けHPCサービス、Univa社のUniCloud/Grid MPサービス、等多くのHPCサービスが登場
 
クラウドにおけるHPCの適用が最近よく話題に上がっている。 多数のプロセッサを並列処理に採用する事によって高速演算を実現する方式は多数のコンピュータによって構成されているクラウド環境に合っている、という考え方で、HPCを提供するサービスや製品などの発表が下記の通り、いくつかある。 
 
一方では、Amazon Web Serviceが研究者や文教市場向けに無償でCPUタイムを提供するサービスを実施したり、Microsoft社のAzureがやはり無償で研究期間にサービスを提供している市場である。  科学技術計算市場のクラウドに対する期待と関心が高まり、競争が激しくなる一方で、下記のベンダーが興味深いアプローチをしている。 
 
SGI社:Cyclone
Intel社のXeonもしくはItaniumチップをベースとして、SGIが開発したAltixシステムが構成要素になっている。  目的毎に次の3つのアーキテクチャが提供されている。 
  • SGI Altix Scale-up
  • Altix ICE Scale-out
  • Altix XE Hybrid
上記のHybridモデルは、NVidia Tesla、もしくはAMD FireStreamといった画像処理プロセッサを装備し、高速浮動小数点演算をサポート、また、Tilera社の演算チップの実装で高速自然数演算が提供される。 

The SGI technology at Cyclone’s core is comprised of some of the world’s fastest supercomputing hardware architectures, including SGI® Altix® scale-up, Altix® ICE scale-out and Altix® XE hybrid clusters, all based on Intel® Xeon® or Itanium® processors. The hybrid architecture offers either NVIDIA® Tesla GPUs or AMD FireStream™ GPU compute accelerators for floating point double precision workloads, and Tilera accelerators for integer workloads. High performance SGI InfiniteStorage systems are available for scratch space and long-term archival of customer data.

 
提供方式は、SaaSモデル、IaaSモデルの両方があり、特にSaaSモデルにおいては、次のアプリケーションを提供している。
Supported applications include: OpenFOAM, NUMECA, Acusolve, LS-Dyna, Gaussian, Gamess, NAMD, Gromacs, LAMMPS, BLAST, FASTA, HMMER, ClustalW and OntoStudio. SGI expects to add additional domains and applications partners over time.
 
IaaSサービスにおいてはNovell SUSEもしくは、RedHat Linuxを提供し、さらに性能最適化のためにSGI ProPack、Altair PBS Professional、SGI ISLE Cluster Manager等のスケジューリングや管理系のアプリケーションが提供される。
 
価格は、HPC Core/時間 あたり $0.95 で、Amazon Web ServiceのEC2と比較して少し高めの設定となっている。
 
Rackable社に買収されてからはじめての製品発表であり、今後のSGIの方向性を示唆する発表である、とも評価されている。
 
 
Penguin Computing社: Penguin On Demand(POD)サービス
既にサービスを開始してから6ヶ月経っており、2000件ほどのユーザをサポートしている。 顧客案件は、主としてSGI社が倒産の危機に喘いでいる時期に獲得したものが多い、とされている。
この会社のアプローチの特長は、専用のハードウェアを使用するのではなく、仮想化技術を駆使し、並列処理、マルチスレッドアプリケーションに必要な早いスループットのニーズに対応できる機能の提供に特化している点である。 
 
Platform Computing社/Instrumental, Inc.社: 米国政府向けクラウドベースHPCサービス 
Platform社のISFとISF Adaptive Clusterをベースとしたシステムで、政府が従来高額な予算で調達していたHPCコンピュータの大体になるHPCサービスを提供する事を目的としている。 
 
Univa社: UniCloud/Grid MPをAmazon Spot Instancesプラットホームに提供
AmazonのSpot Instanceサービスは、サービスの利用率が低い時にオークション方式で価格をユーザが決め、Amazonのサービスを利用する方式。  この方式をUniva社が採用し、自社のグリッドコンピューティングサービスを安価に提供するサービスを開始している。  大量の演算をバッチで安く行う事が出来るオプションとして評価される。 
 

RackspaceとAmazonの比較: エンタープライズ向けとコンシューマ向けの違い?

日本ではあまり知名度は高くないが、北米では、Amazon Web Serviceに次ぐIaaSサービスのユーザ数を誇るRackspace Hosting社への関心は高い。 
上記CloudProvider誌の調査結果示すとおり、3位以下を大きく引き離す2位であり、少なくとも北米の市場においてはAmazon Web Servicesと型を並べる事が出来る唯一のクラウド(IaaS)企業である事が言える。 
 
下記は、Web Hosting Industry Review誌に掲載された、Josh Beil氏の比較表である。
素直に見ると、Rackspaceの方がエンタプライズ向けのSLA内容を提供しているといえる。
 
Josh Beilの分析によると、Amazonが使いやすさ、人を介さないSelf Service機能の整備、等に重点を置く一方、RackspaceはSLAを充実させる事に重点を置いている、という事である。


Rackspace – Cloud Servers

Amazon – EC2

Uptime / Availability Guarantee

100%

99.95%

Time span

Current period

"service year" or the preceding 365 days

Time-to-resolution

1 hour

Not specified

Credits

·         5% of the fees for each 30 minutes of network or data center downtime, up to 100% of the fees

·         5% of the fees for each additional hour of downtime past time-to-resolve, up to 100% of the fees

10% of bill per eligible credit period

Notification onus

Customer

Customer

Window

30 days after incident

30 days after incident


Rackspace – Cloud Files

Amazon – S3

Availability

99.9%

99.9%

Definition

(i) The Rackspace Cloud network is down, or (ii) the Cloud Files service returns a server error response to a valid user request during two or more consecutive 90 second intervals, or (iii) the Content Delivery Network fails to deliver an average download time for a 1-byte reference document of 0.3 seconds or less, as measured by The Rackspace Cloud's third party measuring service.

"Error Rate" means: (i) the total number of internal server errors returned by Amazon S3 as error status "InternalError" or "ServiceUnavailable" divided by (ii) the total number of requests during that five minute period. We will calculate the Error Rate for each Amazon S3 account as a percentage for each five minute period in the monthly billing cycle.

Credits

99.89% - 99.5%

10%

99.49% - 99.0%

25%

98.99% - 98.0%

40%

97.99% - 97.5%

55%

97.49% - 97.0%

70%

96.99% - 96.5%

85%

Less than 96.5%

100%

99 % - 99.9%

10%

Less than  99%

25%

 
一方、Amazonの強みは、3rd Party Softwareベンダーのサポートを受けるプラットホームを提供している事で、Amazon本体が提供しなくても、周辺ベンダーが管理、自動化、監視ツールを提供している点である(CloudKick、Rightscale、enStratus等)。  Rackspaceが数社の買収を通して機能強化をしている一方、このレイヤーでの総合的な戦略が問われるケースが多くなってきている。 

買収の動き:データセンタ事業者のBick Group社がBlue Mountain Labs社(bluemountain.com)社を買収

データセンタ事業者のBick Group社(bickgroup.com)がBlue Mountain Labs社(bluemountain.com)社を買収した、と発表された。
 
Blue Moutain社は、企業や政府向けのクラウドコンピューティング系のコンサルティングサービスを提供する会社。
 
一方、Bick Group社もグローバルにクラウドコンピューティング市場でデータセンタのデザイン、設計、建築を行う会社。