2010年8月17日火曜日
CAが4Baseを買収:クラウドコンサル事業を追加、「Virtual Stall」という問題を解決するソリューション
2010年8月16日月曜日
トップクラウド事業者は一体いくら儲かっているのか?: Amazon と Rackspaceの場合
一体どれくらい儲かっているのか、収益構造はどうなっているのか、大きな関心が寄せられている。
Rackspace社の最近の10-Q(四半期ごとの財務報告)によると、下記の情報が報告されている。
● 現在、88,590件のクラウドユーザで、去年の51,440件から大幅に伸びている
● 同時期に獲得したホスティング(元々のRackspace社の事業)顧客は100社増え、19,433件
● クラウド事業での売上は、$5500万ドルで昨年から50%増
● ホスティング事業は、クラウド売上の約10倍で$6.2億ドルであるが、年成長率は14%に留まっている。
さらに非常に興味深い事には、今年はデータセンタスペースを8000平方フィート減らしている、という事実。 つまり、データセンタスペースを減らしながらも一平方フィートあたりの売上を25%増加させ、約$4,440/sqftを達成しているのである。
一方、Amazon Web Serviceについては、UBS(スイス銀行)の調査によると、同社は年間に$5億ドルの売上を達成している、との事。 これはAmazon全社の売上の2%に相当する。 この数字は、Amazon社の決算報告書に記載されている"Other"という項目の売上をベースとしている。同じ分析によると、このAWSの売上は2014年には、$25.4億ドルに達する、と予測している。
この数字、AmazonのIT投資の総額、現時点で$36.5億ドルと比較してまだ小さい数字であるが、この数字も急激な伸びを見せているので、実際の投資に対する回収という面ではまだまだ難しいビジネスである、と言わざるを得ない。 また、Amazonの本業であるe-Retailing事業はと比較すると非常に比重の小さい事業であるため、今後どのような展開になって行くのか、非常に注意深く見て行く必要がある、と言える。
クラウドコンピューティングのトップ2社、いづれも高収益型の事業とは必ずしも言えない、という実に意外な結論に達してしまう、というのは今後のクラウドコンピューティングの未来を分析する上で重要な事実である、と言える。 トップ2社がこういう状況であるなら、3位以下のベンダーの状況は一体どういう状況なのか、何となく想像はつきそうな気がする。
市場の伸びについては、サービス事業である、という性格上、そう大きな伸びや変化が出てこないと想定されるので、収益性をあげようと思うと、徹底的なコスト、それもCAPX(初期投資)とOPEX(運用コスト)の両面での削減を行いつつ、売上は継続的に伸ばす、という戦略を具体的に策定して、進めることが必要である。北米のクラウドコンピューティングのコストで最も大きいのは、継続的な設備投資と電力コストである。 これらは集約化を積極的に行う事によって達成する戦略が最も一般的である、と言える。また、稼動率を100%にできるだけ近づける様な運用方法もシステム化する事が重要と言える。
なおかつ、北米ののクラウドコンピューティング事業者は、人件費の削減を既に自動化ソフトウェアソリューションで達成している、という現状であり、まだそのエリアで遅れを取っている日本のベンダーは、自動化、環視、等の運用ソフトウェアの開発、導入を積極的に行う事が非常に重要である、と言える。
2010年8月2日月曜日
オンラインゲームの大手、Zyngaにソフトバンクが投資:日本向けの子会社を設立

Amazon狙うエンタプライズ向けクラウドソリューション
企業にとってのAWSは、企業のIT資産に対して、スケーラビリティを保証するソリューション、という事で位置付けられる理屈である。 スケーラビリティに関しては、Werner Vogels氏はAWSの運用上のコスト構造を示す表をいくつか示す事でそれを証明している。
この3つの方法を取ることによって、サーバーの利用率をほぼ100%まで持ち上げることが出来、通常の市場のデータセンターの利用率である10〜30%をはるかに超える利用率を誇る。
Amazonはこの実績を今後エンタプライズ市場に強力に打ち出して行くことを宣言している。エンタプライズIT市場は非常に大きなマーケットで、大きなマージンも期待出来るものである。その市場に対して、Amazonはその強いネームバリューを打ち出し、CIOのAgility要求に対応するソリューションを提供出来る自信を持っている。(LAでイベントの開催している理由もここにある)
一つには、MicrosoftやVMWareの様な、エンタプライズ向けのクラウドソリューションに対する強力な対向意識と、合わせて、OpenStackの様なローエンドソリューションとの差別化を市場に対して明確にする事が目的なのでは、と想定される。
とは言え、次の様な点を始め、いくつか課題が残っている、という指摘もある。
1) Amazonの提供するVMイメージは、企業で多く採用されている、VMWareやHyper-Vのハイパーバイザーとの互換性が無い。
2) 企業のOn-Premiseシステムで多く採用されている管理系のアプリケーションの中で、AWSと連携出来るものは少ない。従って、エンタプライズのIT管理者は、On-PremiseにAWSを連携させる為には、既存の管理手順に加えて、全く新しい管理技術を学ぶ必要が出てくる。
3) ビジネス面においても課題が残る。エンタプライズにとって、AWSはまだ新しい企業であり、IBM、Microsoftと何年も契約関係を維持しているエンタプライズIT管理者にとってAmazonはまだ実績を持っていないニューフェイスである。
4) 実際に成功している事例をもっと作って行く必要がある。このイベントでも4社のユーザが次の様な事例を発表しているが、AWSが目指しているエンタプライズ利用とは少しギャップがあるのでは、という指摘もある。
a) サーバーの演算処理をEC2に対してオフロードする
b) イメージ処理を行う
c) Webサイトをホスティングする
d) 企業の電子カルテ情報をクラウド上で管理する
企業でのクラウドの導入が非常に盛んになってきている事を受けて、Amazonも正に今のタイミングを好機と呼んでいる様であり、こういったイベントを北米企業の各地で盛んに行っている様である。しかし、同時に、そう簡単にパブリッククラウドベンダからエンタプライズ向けのソリューションベンダーになる事は出来ない、という事も認識しており、もう少し大きな事業スケールと投資をもって企業ソリューション向けの戦略を立てて行く必要があるのでは、と想像する。 企業向けのソリューションを行うSI事業者、もしくはソフトウェアベンダーの買収も可能性としては考えられる。少なくとも、エンタプライズでの知名度や実績を持っているベンダーとのパートナーシップは現実的な解として考えられるのでは、と思うところである。
問題は、Amazonは誰と組んだらベストなのか? という点。
2010年7月26日月曜日
OracleがIaaS事業を開始するという噂:同社のクラウド事業はどう展開されるか、ヒントが隠されている
The Oracle Cloud API defines an Application Programming Interface (API) to consumers of IaaS clouds based on Oracle's solution stack.
このOracle Solutions StackというのはXenベースのVM サーバインフラを指す。また、このドキュメントはOracle Cloud Computing Platform というものについても情報を加えている。上記のAPI仕様は、下記の通りような機能を提供する、と説明されている。
- サービスの論理ユニットの定義とメタデータを含むテンプレートを参照する機能
- このテンプレートをクラウド環境上に移行し、オンデマンドのITトポロジーを形成する機能
- リソース上のオペレーション(例えばONLINE、OFFLINE等)を行う機能
- リソースのバックアップ機能
このドキュメントによると、vDCオブジェクトはVMの集合体であり、またゾーンと呼ばれるものは上記のリソースが配置される論理的な領域を指す。
原文は下記の通り:
ゾーンは、リソースが配備される論理的な領域を指す。例えば、ゾーンはヨーロッパ、北米、東アジア、等、地理的な領域を指す場合もある。さらにゾーンは企業内の組織構造に沿ったものである場合もある。例えば、財務部門ゾーン、テストゾーン、開発ゾーン、等。
ゾーンは、それぞれが稼働する物理的なインフラとは全く別に定義される。例えば、ゾーンAとゾーンBは同じハードウェア上での動く事もあるかもしれない。

このドキュメントはさらに、このIaaSクラウドモデルは標準のOVFパッケージフォーマットをサポートする、と明記されている。
さらに興味深い事に、このAPIは、DMTF(Distributed Management Task Force)に提示されており、VMWareのvCloud APIや、RackspaceのOpenStackと同じ様に公開される、との事。
このドキュメントの責任者の一人である、Oracleの'Architect for the application and middleware management part of Oracle Enterprise Manager'のWIlliam Vambenepe氏によると、このDMTFに提示されたAPIは、OracleのCloud Resource Model API のほんの一部でしかない、と述べている。
IaaSは、単純なクラウドを構築するモデルだけでは無い。ロードバランス、プライベートデータセンターとの間のセキュアなデータ通信の確保、Low Latencyを保証するサブネットワーク、マルチTierアプリケーションを異なるセキュリティゾーンにマッピング出来る機能、等、非常に重要な要件が多い。 市場に出回っているクラウドモデルでこれ等を一部サポートしているもんがあるが、大きな問題はこの辺の付加価値部分はまだIaaSとして標準化するには時期尚早である。
さらに、IaaSのAPIをよりアプリケーションに最適化するための拡張機能もいっぱいある。vCloud のvApp等がその例であるが、まだまだ少ない。市場において、これらの拡張機能がどの様に使われるのかがまだ明確なコンセンサスが無い状態で標準化を強要するのは、やはり無理が生じる原因となる。
2010年7月25日日曜日
OpenStackに対する、VMWareの反応: 同調しつつも、少し反論
We're huge supporters of open source software efforts, having placed major bets on Spring and RabbitMQ, among others. And while open source makes sense for some product offerings, open standards provide interoperability between open sourced, shared sourced, and private sourced implementations.
VMWareはSpringやRabbit等のオープンソースの採用を積極的に行っている。オープンソースは特定の製品の開発に適しているが、オープンスタンダードはオープンであるなしにかかわらず互換性を提供する動きとして位置付けられる。
さらに、オープンソースとオープンスタンダードの違いについて下記の通り述べている。
Additionally, we don't confuse open standards with open source. Open source is a collaborative development process for creating an implementation of a product or service while open standards are developed by a collaborative process to ensure interoperability among various competing product offerings.
オープンスタンダードとオープンソースの違いを明確に認識すべきである。オープンソースは特定の製品、もしくはサービスを共同で開発するプロセスである一方、オープンスタンダードは競合する製品間の互換性を保証するための共同プロセスである。
オープンソースとオープンスタンダードの違いについて明確にしつつ、要点はオープンスタンダードは業界広く提供されるべきであり、様々なインタフェースがそれぞれの互換性を保つ事が出来るようにする事が重要である、と述べている。
We love providing customers choice of hardware, operating systems, management platforms and cloud computing platforms. We expect to see all sorts of cloud computing implementations that will provide customers a range of price points, features, benefits and specs based on their requirements.
But what's most important to us as it relates to these various implementations – those that currently exist and those that are still to come – is that the interfaces work together so that true choice is possible.
このコメントを分析する事により、VMWareは既ににOpenStackと同様なクラウド共通インタフェースを開発中であり、近々発表する可能性が高いのでは、という想定が出来る。問題は、この発表をする時点において、OpenStackがどれだけ市場に浸透しているか、という事である。また、VMWareがどれだけ自社の"標準化"クラウドをオープンスタンダードとして提供出来るか、という点である。
OpenStack発表でクラウドでのオープンソフトが一躍話題に:Rackspace以外のベンダの取り組みは?
Google:
同社のオープンソフトウェアの戦略で最も知られているのはAndroidであるが、クラウドコンピューティングに関しては、あまり知られていないが、Go Programming Languageと呼ばれる言語のプロジェクトがある。昨年11月に発表されたこの言語は、マルチプロセッシング環境向けの言語であり、C++や、Java等の仕様を統合しながら、より現代的なPHPやRuby
On Railsの仕様も組み合わせるようなアプローチを取っている。
同社のRob Pike氏によると、この言語は、Pythonユーザには非常に重要な評判がよく、演算速度が早く、オープンソースである事が受け入れられている、とコメントしてる。
"Python users say it's like Python but the resulting progam runs faster and it's an entirely open source implementation,"
ただし、事業としてGo Programming Languageをどのように位置付けて行くのかについては、あまり情報は開示されていない、のが現状。
Facebook:
LAMPスタックを拡張し、さらにcache等のコンポーネントと組み合わせながら分散システム向けの開発者に提供される、との事が表明されている。
Facebookのオープンソフトウェアに対する取り組みは、同社のアーキテクチャにある、と説明されており、FacebookのインフラがApache Hadoop、Hive、Cassandra等を積極的であり採用している、との事。
また、Senior Open Programs ManagerであるDavid Recordon氏によると、FacebookはHipHopと呼ばれるPHPベースのオープンソースプロジェクトを主催している、と述べている。同氏によると、HipHopとは、PHPソースコードをC++に自動的に変換し、さらにG++を使ってコンパイルする事によりオブジェクトコードを生成する機能をもつ、との事。HipHopを利用する事により、CPU負担を50%程削減出来る、としている。
Microsoft:
OSCONにおいて、Windows Server 2008 Hyper-V向けの性能向上版の新規Linuxドライバーを開発した、と発表している。
さらに、Azure上にPHPアプリケーションを移行するのに利用出来るコマンドラインベースのツールを発表している。
また、Microsoft社は、クラウドの標準化活動にも参画している、と説明している。一例は、RESTベースのOpen Data Protocolに対するサポートである。 Open Data Protocolとは、モバイル、サーバ、クラウドプロットホーム間のデータ互換性を目指した仕様である。
また、Zend、IBMと共に、Simple API for Cloud Application Servicesと呼ばれるプロジェクトにも参画している。

