2010年4月22日木曜日

クラウドは考えずに構築したら誰も買わない高額なプロジェクトになってしまう、というお話。 上手なクラウドは運用を最大限に自動化、人件費を減らす工夫をしている。

クラウドは結構金と労力がかかる、という記事が多くなってきている。
最終の目的はユーザに対するOn-Demandのサービスを安く提供すること、と一般的に考えられているクラウドの定義であるが、その表から見た理想的なインタフェースとは裏腹に、舞台裏ではそれ相当の苦労がある、というのは技術者であれば誰でも容易に想像できる。

新しい価値は、努力と工夫、そしてそれなりの才能があって初めて成立するもの、と下記の記事では冒頭に述べている。

特に、プライベートクラウドについてはいろいろと賛否両論がまだ多く、幾つかの興味深いコメントを下記の通り、整理する。

Brian Wilson, VP of Surgient
プライベートクラウドは仮想化が実装されているデータセンタに加え、様々な管理ツール(TivoliやBMC)が必要になってくる。 さらに、この層の上に、クラウド専用の自動化プラットホームを実装する事が最も重要である、と述べている。  この自動化の層があるからこそ、高価で、工数の多い人件費に依存しない、スケーラブルなクラウドが出来上がる、と述べている。 
 
Tony Bishop, founder and CEO of Adaptivity
IT Intelligence、という新しい言葉を提唱。  Business Intelligenceが企業のビジネスの効率化を実現するのと同じように、企業のIT戦略も、単なるコンポーネントの積み上げで構築するのではなく、ハードウェアから上のアプリケーションレイヤーまで、すべて仮想化し、ITの劇的な変化に対応出来るスケーラブルでフレキシブルなアーキテクチャを持つことが重要である、と述べている。

Marty Gauvin, CEO of Virtual Ark
クラウドは、第3のアウトソーシングである、と定義してる。 アウトソーシングは本来、企業の既存のキャパシティで出来ない仕事を外のプロフェッショナルに必要な文だけ委託する、という発想。 クラウドとは正にそうである、と実感。であれば、クラウドは必然的に生まれたもの、と解釈出来る。 
 
 
Jasmine Young, VP of Chordys
銀行でのクラウドの利用率が非常の伸びている、と説明。 企業内のコラボレーション、顧客リレーションシップ面で特に使われている、との事。
 
ZDnet Joe McKendrick
クラウドは、普通に実装したら、On Premiseより高くついてしまう、と言及。
ポイントは、人件費。 
企業の多くはクラウドのコストの大半は、データセンタの運用費、マシン/ソフト/ネットワーク購入費、等である、と信じており、肝心の人件費についてはよく見ていない。
IDCの調査によると、クラウドを実装し、システムとして立ち上げ、運用するのにかかった人件費を図ったら、平均してプロジェクト層費用の50%~70%に達した、と報告している。  これは、開発費のみならず、運用に関わる人間、顧客対応にかかるコスト、本来自動化すべきところを人間が介在するProvisioning、Backup、Recovery、Reconfiguration等の工数である。 
クラウドを設計する際には、できるだけ自動化、人間が介在する工数についてはできるだけユーザがSelf Direct出来るような仕掛けを組み入れる事が重要である、ということであろう。。。
 


http://blogs.zdnet.com/virtualization/?p=1862

http://blogs.zdnet.com/service-oriented/?p=4523http://blogs.zdnet.com/virtualization/?p=1862