3万人のユーザを抱えるロスアンゼルス市は、Google Appsを採用した大型の顧客として話題になっているが、元はNovell Netwareのユーザであった同市が大きなリプレース決断を取った事に対して、その本質的な決め手がどこにあったのか、市場では大きな関心ごとになっていた。
PC Worldでの記事において、このロスアンゼルス市の決断はGoogleの契約書場約束したセキュリティとその保証内容が大きく寄与している、と指摘している。
クラウドが昨今、セキュリティに大きな問題がある、と騒がれる中、Googleはその問題を解消するためにかなり広い範囲でのセキュリティ対策を講じている事が説明されており、実際に契約内容や、ロスアンゼルス市の責任者とのインタビューを通してそれを確認している。
契約で規定されている、Googleがロスアンゼルス市に対してて提供する契約内容は下記の通り、
- 顧客データが流出する等、GoogleがNDA条項を守らなかった際の損害賠償の上限なし
- 顧客が任意に監査を行うことができる
- 顧客データは、米国48州内で管理する(国外には出さない)
- 月に5分以上のシステム障害は、Googleがペナルティを支払う
- データはすべて、暗号化、なおかつ分割して管理し、完全な形でのファイルでは絶対に管理しない事
- 市の許可無くしてGoogle自身もデータの閲覧が出来ない
- ロスアンゼルス市は任意に契約内容を破棄することが出来る
等、内容が大変厳しいもの。
エンタプライズから一番遠いクラウド事業者、と思われていたGoogleが、実はこれだけの条件を飲むだけのソリューションをコミットした、というのは非常に興味深いこと。 Googleのエンタプライズ事業に対する取り組みの真剣度を確認出来るとともに、クラウド事業もセキュリティへの取り組みなくして勧めることが難しい、と言う事に対して、Googleでさえも例がではない、という事が見える。
実際の契約文面は下記のURLにある。
(CSC社がSIを行っており、契約書はCSC社とCity of Los Angelesとの間で締結されたもの。
http://www.infolawgroup.com/uploads/file/City%20of%20Los%20Angeles%20and%20CSC-Google%20Contract.pdf