2010年10月29日金曜日
クラウドは本当にセキュリティ面で心配なのか? 従来のOn-Premiseと比較してそんなに心配なのか?統計による分析
2010年10月27日水曜日
MicrosoftからRay Ozzie氏が離れるまでの経緯: 批判的な分析の代表例
2010年10月26日火曜日
FacebookとZyngaの関係: パートナーでもあり、敵でもある。
Digital Realty Trustが提供するコロケーションスペース: そのテナント状況を分析、意外な事実を発見
モバイルとクラウドが2015年までにIT市場を独占: 最も大きな課題は稼動率にあり、と断言される理由
2010年10月8日金曜日
MicrosoftがAdobeを買収するかもしれない、という噂: その目的には共通の敵の存在
2010年10月7日木曜日
北米でのManaged Hosting Providersの株価が好調: クラウド事業のモデルが評価
2010年10月6日水曜日
VC業界が元気を取り戻す理由
たしかに、最近の案件では、3PAR、Blade Technologies等の買収など、戦略的な要素の高い案件が多く登場している。M&A案件が全部の内、金額を公開しているのは27社であるが、その合計は 約$38.4億ドル、さらに感心するのは、14件のIPOは合計 $12.5億ドル、一社平均 $8920万ドル、という金額である。
下記がさらにこのレポートが報告している。内容である。
・ 14件のIPOの内、IT業界での案件は8件であり、合計 $7.5億ドルになる。最大の案件は、GreenDot Corp. のIPOで、総額$1.64億ドルにのぼる。
・ M&A案件全104件の内、ITセクターの案件は82件、合計金額は $10億ドルにのぼる。
・ インターネット、コンピュータソフトウエアが一番比重が大きい技術を分野であり、各々32件、33件。
・ 買収金額が公開されている27件のM&A案件の内、5件は元の投資額の10倍以上の買収額、4件が投資額の4倍、7件は投資額を下回る投資額となった。
2010年10月2日土曜日
AWS初のクラウド事業投資、ストレージアプライアンス企業:Cirtas => その裏にある戦略とは
エンタプライズにおいては、ローカルストレージを運用管理するのと同じ様にクラウドストレージも使いたい、というニーズがある事に着目し、製品はデザインを行っている。 アプライアンスの内部構造的なとして、RAM、SSD、HDDストレージもアレイを多重化装備し、さらにクラウドと直接接続するためのゲートウェイ、さらにWAN最適化の機能をサポートしている。
下記が製品のアーキテクチャ図である。
さて、もう一つの関心は、何故こんな会社にAmazonが投資をしたのか、という事である。 自社でVirtual Private Cloudサービスも提供、エンタプライズ向けのソリューションを強化している中、敢えてこういう会社に投資をする理由として次のような事が分析される。
1) VPCを適用するにしても、クラウドのストレージを管理する機能は社内のIT部門の管理下に置きたい。 そのため、何ら家の形でのアプリアンスが必要であり、Amazonとしてはそれを推奨するソリューションが必要になってきた。この辺の市場がどの様に成長するかはAmazonにとってまだ不確定な市場なので、買収ではなく、VCとの共同投資という範疇に留めている可能性あり。
2) 企業内のプライベートクラウド市場は、VMWare、Oracle、IBM等の大手ITベンダーがSIソリューションを主体として提供するビジネスモデルである。こういう市場に、Amazonが段々と入りにくくなってきている、という事を懸念している可能性が大きい。Cirtas社のようなアプライアンスという製品をもつハードウェアベンダーと組む事により、SIソリューションモデルの中にAmazonのサービスを、SIが導入しやすい形式で提供する事が必要だ、とAmazonが認識してる可能性あり。
3) SMB、Web2.0市場は、Amazon Web Servicesを大きく支えているが、今後の市場予測では、クラウドの市場はエンタプライズ系にドンドンとシフトすると共にSMB、Web2.0企業からの売上マージンが薄くなってくることが予測されている。Amazonとしては、従来の顧客層に依存したビジネスモデルを継続する事に大きな懸念を感じているのでは無いか、と予測できる。
市場を独占しているAmazonであっても、常に成長戦略を開拓し続けることが重要であり、じっとはしていられない、という状況である。
データセンター業界ではクラウドは必要ない、とされている意外な事実
このデータセンター業界におけるクラウドコンピューティングに対する意識調査を行ったところ、非常に興味深い結果がでている。
まずは、データを生のまま見てみたい。
下記が、データセンタで採用されている様々な新規技術と、それを実際に採用した、都'回答している比率をまとめたものである。
Cloud Computing 14.90%
Cluster Computing 50.00%
Virtual Processing 72.90%
Web Applications 70.40%
Automation 54.80%
クラウドコンピューティングを実際に採用している、と回答しているデータセンター事業者の数が、15%以下、とかなり他の技術と比較しても著しく低い状態にある、という事がが分かる。
一般の企業でクラウドコンピューティングの採用割合は伸びており、調査によって数字はまちまちであるが、ものによっては全企業の50%がクラウドコンピューティングを何らかの形で採用している、という統計もある。それと比較して、データセンターでは何故こんなにクラウドの採用状況が低いのか?
もう一つ、同じ調査で出ている結果をみたい。
これは、データセンタ各社が採用を考慮したが、最終的に断念した技術を列挙し、それぞれの割合を示している。
Cloud Computing 46.30%
Cluster Computing 11.70%
Virtual Processing 9.60%
Web Applications 4.80%
Automation 15.40%
非常に興味深いのは、クラウドコンピューティングがこの結果だと46%、と他の項目を大きくなる、引き離して大きい、という事である。
つまり、データセンター業者は、クラウドコンピューティングについては調査を行い、評価も行ったが、多くが最終的に採用しない、という結論に至っている、という現実である。
この状況を、どの様に分析すべきか? 筆者は次の点が要因なのではないか、と想像する。
(1) データセンター業界において、まだクラウドのビジネスモデルが確立していない、というのが要因である可能性が高い。 Amazon Web ServiceやGoogle、Microsoft、Rackspaceといった超大型のデータセンターを運用するクラウド事業者が市場の大部分を専有する状況の中、一般データセンターとしては今更スタートしてもビジネスとして成立しないのでは、という懸念を持っている、と想像できる。
(2) データセンターのクライアントである企業が、そもそもクラウドコンピューティングに実は慎重になっているのでは。 企業での採用はたしかに急速に伸びているが、それを伸ばしているのは企業の各事業部門であって、IT部門ではない、という点がある。IT部門は意外とクラウドに対して慎重に構えていて、それが結局データセンターに影響を及ぼしているのでは、と想定できる。
(3) 技術的に、クラウドを構築して運用するのに、かなり専門的な知識と、ノウハウが要求される、という事実がハードウェア・ファシリティ系のノウハウ中心のデータセンター業界では敬遠される理由になるのでは。データセンタの仮想化まではVMWare等大手のベンダーの技術を導入する事で実現できるが、その先、クラウドAPIの実装、各種自動化ツール、監視ツール、クラウド独自の障害検知・対策ツール、マルチテナントのインフラ、クラウド向けの課金システム、等ソフトウェアソリューションが非常に多く、どれも提供者が小さいベンダーが主体で、オープンソフト系も多い。データセンターとしては今までに無いノウハウを要求される事になり、リスクがどうしても高くなってしまう、というのがクラウド不採用の大きな原因になっている、と想像する。