2010年10月26日火曜日

FacebookとZyngaの関係: パートナーでもあり、敵でもある。

Facebookは世界最大にソーシャルネットワーキングサイトである、という面を持っている一方、最近話題になっているのは、毎月2億人以上の人間が参加するオンラインゲームアーケードの運用サイト、という面である。

San Francisco市に本社を置くZynga社は、FarmvilleやMafia Warsといった、Facebook向けのゲームを開発する最大のベンダーである。 急成長を遂げた現在、自社のグッズの販売により年商$5億ドルを出す勢いである。通常ゲームは無償に提供されるが、ゲームの進行を早める(先のステージに進める、等)ためには、有償のグッズを購入する必要がでてくる。

Facebook社は、早くからこの動向に目をつけ、次の様な施策をとっている。
1) 今年のはじめ、Zyngaをはじめとしたアプリケーションベンダーに対して、自由にユーザに対するのNotificationを発信する事を禁じた。ユーザにとって、膨大な量のゲーム系の宣伝広告が減ったと評価されたが、さらにFacebookにとっては、ゲーム系のベンダーが宣伝の為にFacebookの広告スペースを購入する傾向を高める結果になり、集積増にもつながった。
2) Facebook Creditsという同社の独自通貨を自社パートナーに対して使用する事を要求した。Zynga社も反論をしていたが、結果的に両社の間に5年間の契約を締結する事となった。

表向きにはパートナー関係にある、と見られているプラットホームベンダーとその上のアプリケーションベンダー、表向きにはゲームベンダーが脚光を浴びている様にも見えながらも、プラットホームベンダーがかなりビジネス面でのコントロールをしている、という現実が垣間見える。  

しかしながら、これはFacebookに始まった事ではなく、Amazon、Google、さらにMicrosoftが行っているビジネスと同じである、という事が出来る。 プラットホーム事業の最大のメリットは、そのプラットホーム上のアクセスをMonetize、つまりお金に換える事が出来る、という特権を持っている、という点である。