2010年10月6日水曜日

VC業界が元気を取り戻す理由

最近のVC活動が活発になってきている、という話題。

要因は、M&AやIPOの案件が増えてきている、という事のようである。 NVCA(National Venture Capital Association)という呼ばれる団体の報告によると、104件のM&A、さらに14件ものIPOが2010年の3Qの間に起きた、との事で、今後もこの傾向は続く、と予測している。

たしかに、最近の案件では、3PARBlade Technologies等の買収など、戦略的な要素の高い案件が多く登場している。M&A案件が全部の内、金額を公開しているのは27社であるが、その合計は 約$38.4億ドル、さらに感心するのは、14件のIPOは合計 $12.5億ドル、一社平均 $8920万ドル、という金額である。  


下記がさらにこのレポートが報告している。内容である。

・  14件のIPOの内、IT業界での案件は8件であり、合計 $7.5億ドルになる。最大の案件は、GreenDot Corp. のIPOで、総額$1.64億ドルにのぼる。

・  M&A案件全104件の内、ITセクターの案件は82件、合計金額は $10億ドルにのぼる。

・  インターネット、コンピュータソフトウエアが一番比重が大きい技術を分野であり、各々32件、33件。

・  買収金額が公開されている27件のM&A案件の内、5件は元の投資額の10倍以上の買収額、4件が投資額の4倍、7件は投資額を下回る投資額となった。

2004〜2007年の頃のM&Aの勢いにはまだ達していないが、2008〜2009年の急激な落ち込みの頃と比べたらかなり回復している、という事ができる。

この傾向を押している要因として、昨今のクラウドコンピューティングの成長が大きく注目される。各社のクラウド戦略が激しくなる状況を中、大手IT企業、Oracle、Google、VMWare、HP、Dell等が競って買収厚生をかけている状況はよく見えてきている。逆にクラウド戦略をなんらかの形で持っていなければ買収の対象になり得ない、と思えるくらいである。