2010年10月8日金曜日

MicrosoftがAdobeを買収するかもしれない、という噂: その目的には共通の敵の存在

New York Times発、GigaOm経由で登場した記事であるが、Microsoft CEO の Steve Ballmer氏がAdobe CEO のShantanu Narayen氏と会い、秘かに合併の可能性について議論をした、との噂が業界での飛び交っている。

一体どういう事になったらこういう噂になるのかがなかなか理解できないが、両社はこのような話題があった事を否定している。 

ただ、噂の根源は、過去に同様の議論があった経緯がある事、その際には独占禁止法に抵触する恐れがあったために断念をした、という結果になった、という事である。

今回はその恐れがないのか、この噂が発信されてからというもの、Adobeの株価が11.5%、と急上昇している。 

両社は異なるビジネスモデルを進める会社同士ではあるが、競合する製品技術もいくつかある。 その代表は、MicrosoftのSilverlightとAdobeのFlashである。 また、AdobeのAcrobat・PDF仕様に対向する規格を計画している、という情報もある。  

ただそれよりも大きいのは、両社が共通に抱える敵、Apple社である。  
両社が行った会談の中心は、Appleに対してどの様に対向すべきか、という点だっただろう、という予測は多い。 Apple社がFlashを頑なに採用しない事、iOSがMicrosoftのWindows Phone OSの市場をドンドン攻め込んでいる、という状況は、両社にとって事業収益に大きく影響を及ぼす問題である。 

Appleの層資産額がMicrosoftを超えてしまった以上、もう過去の悩みであった独占禁止法にに触れるという悩みはなくなっている事は確か。

ちなみに、Microsoftの現在保有しているキャッシュは約$360億ドル。 一方、Adobeの現在のマーケットキャップは約 $150億ドルとされているため、決して安い買い物ではない、と言える。

Appleに対向するためにMicrosoftがAdobeを買収するかもしれない、という噂がでてくる事自体、数年前では全く想像もつかなかった事態であるが、インターネットの時代からクラウドの時代、PCの時代からスマートフォンの時代と、移行のスピードの早さには驚くばかりである。