2010年2月11日木曜日

アメリカ政府のクラウド:IBMがUS Air Force(アメリカ空軍)向けのクラウドのテスト環境を構築、特にセキュリティを強化

IBMが米国空軍向けの個のクラウドシステム、空軍が従来省内で管理管理していた情報をクラウド上で管理し、省内のIT予算の削減に寄与しよう、というもの。 
IBM Federal Divisionは昨年、IBM内でも唯一売り上げを伸ばした部門で、現在でもIBMの収益の15%を占めているところ。  今後さらにこの事業に力を入れる、という意思が強く働いている、と思われる。 
クラウド化によるデータのセキュリティについては大きな懸念があり、空軍の要請により、データの盗用を防止するための分析機能を強化している、と発表している。 具体的な内容については公表されていない。 

アメリカ政府のクラウド:DoL(Department of Labor)がGCE社のソリューションで経理システムのクラウド化を実現

労働省がGCE社の技術を採用し、Oracle Financials Release 12をベースとした経理システムをクラウド上のサービスとして提供する仕組みを開始した。
様々なエンハンスがされており、FSIO準拠、OMB準拠、Treasury Guideline準拠、等の厳しい条件をクリアすると同時に、22の省庁や組織に共通に提供できるサービスが構築されている。 
クラウドを採用した理由は、これらの要件に対して、殆どハードウェア/ソフトウェアへの投資をせずに、たった18ヶ月間で稼動開始が出来た、という点である。 
今後この成功事例が政府主催のクラウドイベントへ大きくプロモートされる事が想定されており、他の象徴への影響も想定される。 

イギリス政府のクラウド:G-Cloud呼ばれるクラウド構想、3.2Bポンドの予算削減が目標

イギリス政府内も膨大なITコストを削減するための戦略として、1月にクラウド技術を採用する発表を行っている。 Government ICT Strategyと称する戦略の一部として、G-Cloud構想が位置づけられ、2014年までに総額、3.2Bポンドの予算削減を実現する、と宣言している。
構想のスケジュールとして、2月に基本デザインを完了し、2010年内に政府内の部門の数箇所が実際に採用を開始、システムは2013年までにフル稼働することが発表されている。
現在、政府内では10,000個のソフトウェアパッケージが利用されており、これらをすべてクラウド化することにより、削減、さらに、750箇所の公共団体が利用している130箇所のデータセンタを集約、事実上12箇所までに削減できる事が述べられている。 
ソフトウェアベンダにとって、政府向けにソフトウェアやサービスをライセンスする方式が大きく変わる事を意味しており、これから広く議論される事が想定される。

2010年2月4日木曜日

Azure登場に合わせて、AWSが値下げを断行: アマゾンをIT企業だと思ってはいけない!クラウド界のWalmartと見るべし=>

以前からこういう戦略は展開することは予測していた。
 
既にS3の値下げ戦略を昨年取り、多数登場しているStorage SaaSベンダーに大きな警告を出したようなもの。
 
先行して大きなインフラを立ち上げ、後続してくる競合を価格戦略で打ち落とす手法は、リテール業界では常套手段で、Walmartに代表される大手企業は、そうやって牙城を築き上げている。  Amazonはオンラインリテール業界の大手であるゆえ、このDNAは生まれ持っている、と評価できる。 
 
今回はMicrosoft社のAzureが20数カ国同時に本格稼動するタイミングを見計らって、新価格を発表している。  値下げ対象は、Amazon EC2, Amazon S3, Amazon SimpleDB, Amazon SQS, Amazon RDS and Amazon VPC、と広い範囲をカバー。 
 
Additionally, Amazon's AWS price reduction is going to spark a price war, commoditizing cloud infrastructure, Alvarez said, questioning how low prices can dip. Amazon keeps prices low by working closely with suppliers across its various businesses. Alvarez said that's a different tactic than traditional infrastructure vendors.
Amazonの戦略のもう一つの大きな特長は、さまざまな業界のベンダーをサプライヤーとして自社のプラットホーム上でのビジネスを奨励している、という点。 
 
これもWalmart商法に酷似している。  競合をも取り込んでしまう、という作戦である。 
 
日本のクラウドベンダー、今後もますます激しくなる価格競争に勝っていけるのか、AmazonのDNAがどこから来ているのか、をよく分析した上で事業戦略を進める必要性が大いにある、と提言すると共に、クラウドの価格競争時代の幕開けが到来した、と宣言できよう。 
 
一方では、Amazon Web Serviceは本当に採算が取れているのか、という疑問を持つ声も多い。  実際、Annual ReportではAWSだけを切り離した事業の経理報告は一切されておらず、本業のリテール業と混ぜて記載されている。  ウォールストリートとしては非常に興味あるところであるが、実際儲かっているのであれば、AWS単体で数字を公開し、株価上昇の種にするのが通常の発想である。  それをしないのは、あまり自慢できる数字で無いから、というのが憶測として出ている。 
 
 
 

Facebookの新規データセンタ、実は火力発電所の電力を利用:クリーン(CO2削減)よりグリーン(お金)を選んだ背景=>

豊かな水資源を活用した水力発電所の数が、全電力生産量の6割を占めるオレゴン州にデータセンタを最近建設したFacebook社、実のところ、利用する電力の供給は、火力発電所から受けている、という事が明らかになった。 
 
水力発電所の電力供給は主として、Bonneville Power Administration(BPA)社が行っているが、Facebookが建設しているデータセンタの地域は、Pacific Power社という、別の会社が管理しており、僅かな%をBPAより電力供給を受けながらも、主力供給源は石炭を燃やす火力発電所である、という事をSearchDataCenter誌が発見。 
"While Pacific Power gets some hydropower from BPA, its primary power-generation fuel is coal, according to Jason Carr, the manager of the Prineville office of economic development for Central Oregon."
 
 
また、BPA社は、自社のCO2 Cap & Tradeの関連で必要になるコストをカバーするために、複数段階をもった電力料金体系へ踏み切る、と発表している。

It turns out the BPA will soon be implementing a tiered pricing system in which new customers will pay a higher rate to offset the costs of non-hydro generation the BPA will purchase to meet growing demand.


恐らく、このコスト上昇を懸念して、上昇しながらもより価格が安定している火力発電所ベースの電力料金体系を選択した、というのがFacebookの内部での判断だったのではないか、と指摘している。
 
オレゴン州にデータセンタを建設する、というのは最近ではグリーン戦略としては非常に良いイメージを獲得できる、という点ではマーケティング戦略として使われるケースが多いようだが、実際には、グリーンでなければいけない、という企業の大方針が大きくそびえる中、コストとのジレンマに攻め悩まされる現実に直面するFacebookの姿は、他の企業にも同様にのしかかる課題として考える必要がある、と思う。 
 

Hybrid Cloudの意味を考える:単に2つのクラウドを繋げるだけでは×、「新しい価値:A+B=C」を生み出す事に注力すべき、と提言=>

CloudScalingと呼ばれるコンサルタント企業のCEO、Randy Bias氏のブログの興味深い記事から抜粋。
 
ハイブリッドクラウド、と最近よく使われる言葉があり、通常、企業内のクラウド(プライベートクラウド)とパブリッククラウドの両方を利用して、その連携から従来無かった新しい価値を見出すことを目的としている。 
 
Wikipediaの定義にもあるとおり、ハイブリッドとは2つのものから、全く新しい物を作り上げることである。 つまり、

A + B = C

という事。
 
Hybrid cars have a single kind of new engine & power train that use gas or electricity. It's neither a gas engine, nor an electric engine; it's a new kind of engine: a hybrid engine.
 
そのもう一つの例として、ハイブリッドカーもガソリンのエンジンと電池を組み合わせて、新しい乗用車を作り上げている例である。  ハイブリッドで新しい価値を有無好例である。
 
Bias氏の主張していることは、最近のハイブリッドクラウドというものは、2種類のクラウドを 「統合する」 のではなく、ただ単に 「つなげている」 だけに留まっている、という事である。 

As used today in cloud computing, hybrid is abused to mean CONNECTING, not COMBINING two kinds of clouds:

  • Private + public clouds
  • Internal + external clouds
  • Physical servers + virtual servers

The fundamental issue with all of these is that the end result is not A + B = C, but rather:

 
つまり、

A + B = A + B

という事。
 
今後クラウド事業にSIの力がどんどんと活かされていく時代になるに当たり、ハイブリッドクラウドと称するビジネス、何が一体統合されて、一体どういう新しい価値が生み出されるのか、明確にすることが、まずはプロジェクトの最初にして最重要な課題なのでは、と考える。 
 
当然、コスト削減、アプリケーション開発期間の短縮、などの成果が挙げられるが、それはハイブリッドの成果ではなく、単純にクラウドのリソースを活用している事によって得られるもの、と考える。 
 
Cloud Bursting、Cloud Federation、Cloud Bridging等、新しい用語も多数登場する中、あまりキーワードに踊らされず、本質的に企業にとって何が 「新しい価値」 になるのかを見極めるのを支援するコンサルティングサービス、というのも登場する時期なのかもしれない。
 
クラウドもワッと盛り上がって、一段落したところでこの辺の議論が多くなることを期待する。
 

2010年2月2日火曜日

GoogleがWebサービスと連携するビジネスアプリストアを立ち上げる、と発表。 狙いは何か、という分析=>

Googleが自社のWeb Serviceに統合する形で、ビジネスアプリケーションをオンライ
ンで提供する、と発表した。

ソフトウェア提供者は3rdパーティであり、3月あたりから本格的に展開を開始する、
と言われている。

記事の内容によると、直接のターゲットはMicrosoftのようである。
SharePointやSQL Server、Dynamics、Visual Studio等、自社ソフト層の厚い
Microsoft社のユーザをGoogleに引き込みたくても、難航していた結果の戦略、と想
像される。 つまり、対策として、自社開発するのではなく、SharePoint, SQL
Server, Dynamics, Visual Studio競合ベンダに製品をGoogleプラットホームに移植
してもらい、対抗する、という戦略をとったのでは、と思われる。


ソフトベンダにとっては大変ありがたいプラットホームであることは確か。 やっと
Microsoftと同じ土俵で対抗できるようになるので。

今までのGoogleは、こういった足りないタマを積極的な買収戦略で調達してきたが、
上記のようなビジネスアプリケーションは勝ち組が誰なのか、まだ見えないのが課題
で、Googleも一社のベンダに投資するよりもプラットホームを作る道のがリスクが小
さい、と判断したのかもしれない。

Azureの立ち上がりをジ~ッと見ていたGoogle、.NetアプリケーションのSaaS化プラッ
トホームとしてAzureが大きな注目を集めていく状況を見て、それにブレーキを掛け
なければいけない、という危機感を感じ始めての行為である可能性もある。

2010年はPaaSの時代だ、という声が多いが、Googleが登場することによってさらに激
化する、という可能性が大きい。

Force.com, Opsource SaaS Enablement Program, NetSuite NS-BOS, VMWare vCloud,
等は厳しい競合に対する対策を発表する、と思われる。 また、Apprend,
Flexiscale, MorphLabs, Aptana, GigaSpace XAP等は事業存続が難しくなる可能性も
ある。

Amazon Web Serviceだけは、PaaSをあえて選ばない戦略をとっています。 この状況
を見据えてのことであれば、実に賢い戦略だと言える。

http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704107204575039704126843676.ht
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