2010年2月4日木曜日

Azure登場に合わせて、AWSが値下げを断行: アマゾンをIT企業だと思ってはいけない!クラウド界のWalmartと見るべし=>

以前からこういう戦略は展開することは予測していた。
 
既にS3の値下げ戦略を昨年取り、多数登場しているStorage SaaSベンダーに大きな警告を出したようなもの。
 
先行して大きなインフラを立ち上げ、後続してくる競合を価格戦略で打ち落とす手法は、リテール業界では常套手段で、Walmartに代表される大手企業は、そうやって牙城を築き上げている。  Amazonはオンラインリテール業界の大手であるゆえ、このDNAは生まれ持っている、と評価できる。 
 
今回はMicrosoft社のAzureが20数カ国同時に本格稼動するタイミングを見計らって、新価格を発表している。  値下げ対象は、Amazon EC2, Amazon S3, Amazon SimpleDB, Amazon SQS, Amazon RDS and Amazon VPC、と広い範囲をカバー。 
 
Additionally, Amazon's AWS price reduction is going to spark a price war, commoditizing cloud infrastructure, Alvarez said, questioning how low prices can dip. Amazon keeps prices low by working closely with suppliers across its various businesses. Alvarez said that's a different tactic than traditional infrastructure vendors.
Amazonの戦略のもう一つの大きな特長は、さまざまな業界のベンダーをサプライヤーとして自社のプラットホーム上でのビジネスを奨励している、という点。 
 
これもWalmart商法に酷似している。  競合をも取り込んでしまう、という作戦である。 
 
日本のクラウドベンダー、今後もますます激しくなる価格競争に勝っていけるのか、AmazonのDNAがどこから来ているのか、をよく分析した上で事業戦略を進める必要性が大いにある、と提言すると共に、クラウドの価格競争時代の幕開けが到来した、と宣言できよう。 
 
一方では、Amazon Web Serviceは本当に採算が取れているのか、という疑問を持つ声も多い。  実際、Annual ReportではAWSだけを切り離した事業の経理報告は一切されておらず、本業のリテール業と混ぜて記載されている。  ウォールストリートとしては非常に興味あるところであるが、実際儲かっているのであれば、AWS単体で数字を公開し、株価上昇の種にするのが通常の発想である。  それをしないのは、あまり自慢できる数字で無いから、というのが憶測として出ている。