CloudScalingと呼ばれるコンサルタント企業のCEO、Randy Bias氏のブログの興味深い記事から抜粋。
ハイブリッドクラウド、と最近よく使われる言葉があり、通常、企業内のクラウド(プライベートクラウド)とパブリッククラウドの両方を利用して、その連携から従来無かった新しい価値を見出すことを目的としている。
Wikipediaの定義にもあるとおり、ハイブリッドとは2つのものから、全く新しい物を作り上げることである。 つまり、
A + B = C
という事。
Hybrid cars have a single kind of new engine & power train that use gas or electricity. It's neither a gas engine, nor an electric engine; it's a new kind of engine: a hybrid engine.
そのもう一つの例として、ハイブリッドカーもガソリンのエンジンと電池を組み合わせて、新しい乗用車を作り上げている例である。 ハイブリッドで新しい価値を有無好例である。
Bias氏の主張していることは、最近のハイブリッドクラウドというものは、2種類のクラウドを 「統合する」 のではなく、ただ単に 「つなげている」 だけに留まっている、という事である。
As used today in cloud computing, hybrid is abused to mean CONNECTING, not COMBINING two kinds of clouds:
- Private + public clouds
- Internal + external clouds
- Physical servers + virtual servers
The fundamental issue with all of these is that the end result is not A + B = C, but rather:
つまり、
A + B = A + B
という事。
今後クラウド事業にSIの力がどんどんと活かされていく時代になるに当たり、ハイブリッドクラウドと称するビジネス、何が一体統合されて、一体どういう新しい価値が生み出されるのか、明確にすることが、まずはプロジェクトの最初にして最重要な課題なのでは、と考える。
当然、コスト削減、アプリケーション開発期間の短縮、などの成果が挙げられるが、それはハイブリッドの成果ではなく、単純にクラウドのリソースを活用している事によって得られるもの、と考える。
Cloud Bursting、Cloud Federation、Cloud Bridging等、新しい用語も多数登場する中、あまりキーワードに踊らされず、本質的に企業にとって何が 「新しい価値」 になるのかを見極めるのを支援するコンサルティングサービス、というのも登場する時期なのかもしれない。
クラウドもワッと盛り上がって、一段落したところでこの辺の議論が多くなることを期待する。