WWDCにおいて、Appleが大きなクラウド事業を発表するのでは無いか、という噂が大きい。
現在のiPad、iPod製品戦略は、iTunesを搭載したPCとドッキングする事を前提としている一方で、Steve Jobs氏は近い将来にはPCを持つ人は激減する、と明言している。既存ののPCを母体とするのではなく、
クラウド上のサービスから各端末にアプリ、コンテンツの配信をする事が新しいビジネスモデルとして計画されている、というのが要因である。
現在、クラウドを介したデバイス間のデータの交換は、3rd Partyの製品が主流を占めており、Dropboxや、SugarSync等のソリューションがある。Apple自身もMobileMeサービスを提供しているが、サービス内容と価格でほかの競合に少々負け気味。また、iPad上には、GoodReader, ReaddleDocs, 等のドキュメント閲覧ツール、さらにDocumentsToGo、等の編集もできるツールが新しく登場している。これはApple自身が開発したiPad向けのiWorksと呼ばれる製品に対向するが、iWorksがiTunes経由でしかコンテンツの移動が出来ない点、
大きく水を空けられている。
上記のプログラムは全てクラウドサービスをバックにほかのAppleデバイスとの間のデータ交換がサポートされている。Appleはいつまでもこういった3rd Partyのベンダーに依存する訳にはいかないので、自社でソリューションを提供開始する事が想定される。
下記がその動きを示すもの;
○ 昨年、AppleがNorth Carolina州に総工費$10億ドルかけて大規模なデータセンタを建設する計画を発表した。これはAppleが過去に持っていた最大のデータセンター(Newark, CA)の5倍の大きさに相当する。
○ Lala社というのがストリーミング技術をもったベンダを買収し、同社のサービスを停止した。
○ Siri社というサーチベースのPersonal Assistantの機能を持iPhoneアプリを開発しているベンダーを買収している。