2010年1月31日日曜日

Webホスティング事業者が続々クラウド事業を発表: 生存のために必要な戦略、という声がむしろ強い

Webホスティング事業が続々クラウドサービスの開始を発表している。
従来の事業の延長線上にクラウド上でのアプリケーションのサポート、データ管理をクラウドインフラで安く、スケーラブルに行いたい、というユーザの強いニーズに押されて開始しているケースが多い、という話が良く出てきている。
 
3つの事例の紹介。
 
1) Liquid Web
Liquid Web
Storm On DemandというIaaS事業を発表し、Amazon EC2と同等なサービスを展開開始。 GUIがEC2と比較して使いやすい、という点が特長。 また、スケーラビリティの点でサーバの規模をかなり自由に変更できる、という特徴を打ち出している。
 
2) 1&1 Internet
ホスティング事業者の大手、1&1 Internet社がDynamic Cloud Serverというサービスを開始、1~4台までの仮想プロセッサを、1~15GBのRAM+100~800GBのメモリを組み合わせて自由にシステム構築が可能になる。 さらに、Windows、Linuxをサポートし、自由にOSを入れ替えることが出来る。 
 
 
3) Flexiant
まだ新しい会社であるが、UKの会社で、Flexiscaleというクラウド事業を開始したXCalibreという会社が同社からスピンアウトしてFlexiantと合体した、という経緯がある。 Flexiscaleは欧州で初のクラウド事業として知られている。
 
 
 
何れのベンダーも、クラウド事業は収益の大きい部分を占める、と見ている。 新規ユーザの確保に重要な役割を担うと同時に、クラウド事業者の最もターゲットとしている顧客は、「システム管理を然程必要としないユーザ」、という考え方が共通している模様。 
 
通常のホスティングサービスの延長線上にクラウド事業を位置づける考え方は割りと新しく、Amazonのような Per-Hour Billingという一時的な使い方、開発Onlyの使い方、Burstingだけの使い方、では無く、長期間クラウドを利用する顧客を狙っている点、ユニークである。  そのため、価格帯も一時間あたりの価格設定ではなく、数ヶ月単位、という従来のWeb Hostingと同じ価格体系を提示している。 
 
クラウドも定着してくると、一時間当たり、という価格モデルは段々と亡くなってくる様にも感じる。