SAPは、自社のERP事業のクラウド化は順次提供される事が明らかにされており、その第一弾としてコードネーム"River"と呼ばれる、企業内のOn-Premise ERPシステムの一部をクラウド化する拡張機能を提供開始する。
Riverアプリケーションの第一弾として、Carbon Impact 5.0 は来月発表予定で、Amazon EC2上で動くアプリケーションとなる。CTOのVishal SIkka氏によると、既に開発に18ヶ月をかけている、との事。
Riverアプリケーションのは、シンプルで数十程度の画面を持ち、非常に簡単に導入する事が出来ることが特徴である、と説明している。特に力を入れているのは、クラウド環境で非常に不足している認証とセキュリティの整備である、としている。
RiverはAmazon Web Serviceを選んだ理由としては、AWSのクラウド業界での経験を評価していること、と説明している一方、他のクラウド業界でプラットホームも計画中である、としている。処理のより複雑なアプリケーションは、Business By Designの稼動するインフラで
運用される、との事。
一時機、2006年に買収した e-sourcingベンダーであるFrictionless Commerce社の技術をSAPのクラウド事業の中核とするのでは、という噂があったが、同社の技術はSAPのe-sourcing事業の範疇の外を出ない、と明確に説明し噂は否定している。
SAPはクラウド事業への取組を強化しつつも、基本路線としては、「ERPのようなミッション クリティカル アプリケーションは、まだ当面の間クラウド上で運用出来る様な時代では無い。」と明確に説明し主張している。
"Technology's just not at a point where you can run a mission-critical application on a public cloud," Sikka said. "There isn't one contributing factor to it, but really several."
データのプライバシーの問題、データ統合の問題、法規制等の課題が大きな要因である、と述べている。
Salesforce.comの様に比較的単純なアプリケーションの場合はクラウド化は比較的容易だが、SAP Business Suiteの様にアナリティクス、デマンドプランニング、ワークフォースプランニング、複数のプロセスが同時に稼動するアプリケーションの場合はクラウド化が難しくなってくる、と主張している。
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