CAEソリューションベンダーの大手、Autodesk社がシミュレーションツールをクラウド化環境でシステム化したベータ版を公開した。
プロジェクトは2つあり、それぞれの名前は: CentaurとCumulusと呼ばれる。
Project Cumulus
プラスティック製品のモルディング加工のシミュレーションを行う、Autodesk社の製品である、Moldflowという製品をクラウド上で稼動するシステム。
クライアント上でモデルのデザイン、メッシュモデルの生成、入力パラメーターの設定等は
全て行い、クラウド上のプロセスに送る。Moldflow上での演算処理が完了した後は、結果がクライントに戻され、結果の検証が行われる。
Project Centaur
上記の例に非常に近い方式を採用する。
Autodesk製品であるInventor Simulationをクラウド上でサポートし、クライアント上で上でデザインし、入力パラメータを設定したモデルをクラウドに送り、シミュレーション演算の結果をダウンロードし、クライアント上で検証が出来る、という構造。
今の時点のソリューションは、一件一件のジョブの演算速度の高速化を目的にクラウド環境を提供しているのではなく、複数のジョブを並行に処理する事を大きなメリットとしている。従来のデスクトップのソリューションを最新のマルチコアのワークステーション(2x6CPU)で演算しても、並行に処理出来るジョブは12件である一方、Project Centaurにおいては、20〜30件のジョブを並行に動かす事例が既に報告されている、都の事。
現在のクラウド市場においては、GPU機能を装備したクラウドインフラはまだ殆どなく、現在Autodesk社は、NVidia社と協業してソリューションを開拓中、との事である。
候補としてあげられているのは、NVidia社が自社で開発している、CUDAベースのアーキテクチャや、OpenCL等の動きである。